楚の項羽と漢の劉邦が天下を争い、垓下で項羽軍は敗れた。そのときの歌である。
　　力拔山（兮）：項羽の勢力が山を抜くほど大きい。
　　兮：語調を整えるための意味の無い字と、日本の漢文でも、中国の古代漢語でも
　　　　いわれるが、詩では、重要な意味を持つ。特に古代では楚辞などでは、これで
　　　　リズムを取る兮字脚となり、近代では、字足らずを補っているようにも見える。
　　氣蓋世：前半の「力抜山（兮）」と対になっている。項羽の勢威が偉大な様をいう。
　　時不利（兮）：時節は（わたしに）利していない。兵員・武器も食糧も尽き、
　　　　　　　　漢軍四面皆楚歌という具合に全ての運が尽きようとしている。
　　騅：項羽の愛馬の名。項羽がいつも乗っていた。
　　騅不逝：愛馬は進まない。馬を進められない。
　　虞：虞（美人）よ、どうしたらよいのか